きいろいちゅーりっぷ

日々の細々を書きます。

春ひとつ

 

隣の隣に並ぶ

店先に大サービスの赤い文字

横目に自動扉と書かれたボタンを押す

店内の黄色い光が時間を失わせる

目当ての牛乳をかごへ

卵は値上がり、ブロッコリーは値下がり

自然の摂理を考える

バナナをみながら、

冷蔵庫の中身を思い出す

柑橘系がひしめくそれに

バナナは不要

 

今日着てきた服は

彼の前では着たことがない

青地に赤白のストライプ

霞んだピンクのバレエシューズ

背筋を伸ばす

 

入り口の赤色の春をひとつ、手にとる

 

彼のいない部屋へ連れて帰る