寂しい
人生で寂しいと感じたことはいくつもあったはずだが、そうしたときに私は「寂しい」という単語で感情を理解していたわけではなかった。「怒り」や「嫉妬」に変換し、表わしていたように思う。
だから、人生で初めてのように感じるのだろう。
寂しさを。
彼と別れて、イライラすることが多くなった。
生理前だからと思うが、今までの比ではない。
そうして考えた。
彼という存在が、私の唯一の甘えられるものであったことを。
自分を全肯定してくれる初めての人だった。
でもきっとそれは勘違いだし、本当は私が私自身を全肯定しなければならないのだ。
全肯定してあげたい。けど、寂しい。
これはだから違うのだと思う。
誰かが家にいて、うるさくしてくれないと、
これから来る冬の寒さや、仕事の忙しさ、クリスマスなどの行事、旬の野菜が食べたくなったり、模様替えをしたくなったりしたときに耐えられないかもしれない。
彼の夢を昨日、見たのだった。
だからこういうふうに考えて、自分を苦しめてしまうのかもしれない。
夢占いとしては吉夢だったが。
文字を書くと安心する。
寂しさに抑え込まれそうになったとき、私は泣くことができない。涙は自然と流れるが、それだけで、必ずすぐにストップがかかる。
そうしてなぜか喉の奥だけ痛い。
その繰り返しを生きている。
もちろん、他の男性と会ってみたりもしている。
楽しくデートだってしてる。
でも、ふと思う。自分の安心できる場所は今後もうないのかもしれないと。男の人に会えば会うほど。
それが寂しいのかもしれない。
彼という存在、ううん。
彼にわたしが思い描いて当てはめていた理想は、ただのまやかしだったのだと気がつき、これから出会う誰とも、深い繋がりにはならないかもしれないと、思う。
それはあまりに悲観してるよ、と周囲は教えてくれるだろう。
絶望とも違う、諦めとも違う、でも現実的な可能性の中にあり得る考え。
誰かに私は夜、手を握ってほしい。
寂しいときに握り返してほしい。
ただそれだけな気もしてる。
それだけなのに。今出てる涙の理由もわからない。
今日はこの寂しさと一緒に眠る。