きいろいちゅーりっぷ

日々の細々を書きます。

ぐちらせてください。

学校図書館に勤めている。

先日、中学3年生のKくんが久しぶりに来館した。

彼は1年生の時に、図書館で暴れたため、叱ったところを皮切りに一切借りないという行動に出ていた生徒だった。「ホワイトカード宣言」をしている、とべつの生徒から聞いたときには、自分の指導の仕方や、事前の関係性の下地作りができていなかったことを反省し、彼の人生の読書活動において、障害をつくってしまったのではないか、と恐怖さえ感じていた。

しかし、そんな私の不安をよそに彼は校内では人気者であり、部活にも熱心に取り組んで順調に学校生活を楽しんでいる様子や先生方から聞く彼の話や、時たま声を掛けた時の態度でわかり、本を読みに来ないことは続いていたが、誰しもが図書館に来ないという時期はあるものだろうと思い、時間とともに私の不安もやわらいでいった。

だから、来館したとき、もう一度借りるように声を掛けるチャンスだ。

と思い、少しうれしく思った。だが、声掛けは失敗。だって、Kくんは鬼ごっこの最中だったのだ。他に一緒にいた3年生を注意深く見ることはせず、全体に静かにするよう警告して様子を見守った。(これまでの私の経験上、対象を誰かに決めて注意すると角が立つからだ)

走らないで

と大声で注意し、それでも逃げるKくん。まるで2年前のときと同じ。でも、2年前と大きく違うのはこれが2度目だということ。しっかりと注意をしなくては、他の生徒にも示しがつかない。この時の私はKくんにのみスポットを当てて怒っていたように思う。というか、実際そうだった。他の生徒は普段から図書館によく来る生徒だったし、怒っている私をみても、そのあと普通に話しかけに来る様子もあり、結果的にわたしはまた、Kくんだけ悪者のような目で見ていた。

担任に伝える前にいくらか怒りの粗熱をとったが、まだ半分冷めやらぬ気持ちのまま伝えてしまった。明日になったら、その生徒たちが私のもとに訪れるように担任に依頼した。担任は、謝ってくれた。謝られたことにもなんだか、申し訳なさを感じたままその日は帰宅。

家でどのように生徒に話すか、ネットで「思春期 叱り方」と調べたり、想像してみたりしつつ、次の日に備えた。

翌日の出社直後、Kくんの部活動顧問からかかわっていた生徒すべての洗いざらい、どうだったかの聞き取り、そして担任と一緒にわたしのところに謝罪に来ると伺った。

 

その時、私はまたか……と思った。また、直接的には関係のない先生たちが収めるのかと。この件に関しては図書館で起こったこと・そして怒っているのは私だし、Kくんと話せる機会は卒業までもう半年を切っていたからこそ、ちゃんと気持ちを伝えたかった。それなのに、その部分は全然、端折って説教だけして謝罪させる、なんて。先生たちはずるい。図書館は生徒が来ないとなったら、来ないだけの場所だ。こちらから関わりをとろうとするのも大変なのに、Kくんにとったらまた「謝らされた」だ。そして、彼の中学校図書館の記憶はこうなるだろう。

「いやなおばさんががみがみ叱ってくる場所」

「いやなおばさん」でもいい。けど、「叱られる場所」だなんて思ってほしくない。図書館は「本を楽しく読める場所」だし、「学校で唯一の安らぎの場所」になってもらいたい。読書に苦手意識があるから、来ない、の方がまだましだ。

 

こんな風に思うこともおこがましいのだろうけど、あえて言わせていただきたい。先生たちは、生徒といくらでも信頼関係を築くきっかけがある。それがずるい。とか言ったって、本当に仕方のないことだが。その分、それが大変なのは見ているからわかる。

とりあえず、今回の件でわかったことは、私が先生たちともっと距離をつめる必要があるということだ。こちらの気持ちがうまく先生にも伝わるよう努力してからでないと、生徒にもうまく関われない。

 

先生方の対応にある程度がっかりしたが、言わなきゃ伝わらない。

逆に言えばこんな些細なことで落ち込んだりしてるわたしが、生徒のことを毎日思ってがっかりも、後悔も私の何倍もしてきている先生たちのことを非難はできない。

 

これは、どこにも吐き出せなかったので、ここに吐き出しただけの愚痴です。